交通事故でケガをした場合、治療費とは別に被害者は加害者から慰謝料を受け取ることができます。
慰謝料には、後遺症認定された場合の「後遺障害慰謝料」と、入通院することになった場合に請求できる「入通院慰謝料」の2つがあります。
これらの請求額は、3つの基準があり、どの基準を適用するかで貰える金額が変わります。
- 弁護士会基準
- 任意保険基準
- 自賠責保険基準
貰える金額は一般的に「弁護士会基準」>「任意保険基準」>「自賠責保険基準」となっています。
基準別で請求できる慰謝料
自賠責保険基準の場合は、治療1日で4200円が受け取れます。治療期間が30日の場合は、4200円×30日=12万6000円となります。
任意保険基準の場合は、同じ30日でも入院と通院で金額が異なります。一般的な金額は以下のとおりです。
- 通院:12万6000円(自賠責保険基準と同じ)
- 入院:25万2000円(8400円×30日)
ただし、任意保険基準は各保険会社が独自に基準を決めていて、私たちには公開されていません。しかし、大半の保険会社は上の基準となっているようです。
「自動車保険金は出ないのがフツー」という本によると、東京の弁護士会基準で30日の金額を算出すると
- 通院:28万円
- ムチ打ちで通院:19万円
- 入院:53万円
- ムチ打ちで入院:28万円
となっています。
各都道府県で異なるので、保険会社から提示された金額があまりにも少ないようでしたら、弁護士に相談することも考えた方がいいでしょう。
弁護士会基準が認められる場合
保険会社によっては、自賠責保険基準以下で提示してきますが、それを認めてはいけません。
弁護士が交渉に参加しない場合は、任意保険基準内に落ち着きます。弁護士会基準が認められるのは、次の4つのケースです。
- 弁護士が被害者の代理人として介入
- 日弁連交通事故相談センターが示談を申し立て
- 交通事故紛争処理センターが示談を申し立て
- 訴訟になった場合
弁護士に依頼すると弁護料もとられるので、軽いケガでの入通院であれば任意保険基準で落ち着かせるのがいいと思います。
もしも大きなケガで長期入院になる場合は、どの会計基準で慰謝料を計算するかで大きな差ができますので、費用を考えて臨機応変に対応しましょう。
特約で弁護士費用特約が出る場合は、300万円までなら弁護費用を負担してもらえることが多いので、積極的に利用しましょう。
普段の生活で弁護士に相談することはあまりないですが、交通事故の保険金支払いはもめることが多いです。よく車に乗る人はその分事故に遭う確率も高いので、保険の見直しも検討したほうがいいでしょう。
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