自動車保険を契約するときや更新するときに契約内容が間違っていると、保険金が支払われない可能性があります。
特に初めて自動車保険に加入する人や、インターネットでダイレクト型の保険を契約する人は契約内容をそこまで考えずに選択してしまうことも多いかと思います。
保険会社ではこういった間違いを防ぐため、保険契約時や更新時に前年度と比べて各条件が変わっていないかを細かくチェックしているので、問題が起こりにくくなっています。
その反面、間違いがあった場合は「こちらはしっかり確認しました」と言われてしまい、事故のときの補償がうまく支払われないケースもあります。
内容の選択は保険料に影響があるだけではなく、保険金の支払いにも影響があるので、しっかりと確認しておきましょう。
「自動車保険の落とし穴」という本に必須チェックポイント10ヵ条が掲載されていましたので、紹介します。
必須チェックポイント10ヵ条
新規契約時や満期更新時には以下の項目について聞かれます。
保険会社の一括見積もりを行う際にも選択する必要がある重要な項目なので、しっかり確認しておきましょう。
車を主に使用する人(=記名被保険者)は誰か?
自動車保険では、「記名被保険者」という言葉がよく出てきます。日常生活では使わない言葉なので聞き慣れないのですが、とても重要なものです。
記名被保険者とは、保険契約する車をよく運転する人のことで、保険料を支払う「契約者」とは違います。
記名被保険者を間違えてしまうと、保険対象になる範囲も変わってしまいますので、間違えないように注意しましょう。
たとえば、運転者限定特約で「家族限定」を選択した場合は記名被保険者から見た家族となり、間違えると補償範囲も変わります。
運転者限定の家族限定を選択した場合は以下の方が補償されます。
- 記名被保険者…(1)
- 記名被保険者の配偶者…(2)
- (1)、(2)の同居の親族
- (1)、(2)の別居の未婚の子
このように、補償対象元が「記名被保険者」となるので、事故が起こって初めて自分が補償対象じゃなかった…とならないように気をつけましょう。
車の所有者は誰か?
車の所有者が契約者と違う場合は、保険を申し込みするときに所有者の名前を保険会社に伝えておきましょう。
インターネットで保険契約する際にも、車の所有者を入力する部分があります。
ローンやリース契約の車の場合は、契約を結んでいる「貸し主」の記入も忘れないようにしましょう。
運転者の年齢条件は?
特に重要な項目が「年齢条件」です。
年齢条件は保険料を決める際に重視されている項目ですが、保険金の支払いに関しても非常に重要な項目です。
保険の契約をする車に乗る運転者の中で一番若い年齢の人に合わせて年齢条件を設定する必要があります。
21歳以上補償にしていて20歳の人が車を運転して事故を起こしても保険金は一切出ませんので、契約時には誰が車に乗るのかをしっかり決めてから年齢条件を設定することをオススメします。
もし年齢条件を間違えて保険の契約を行っている場合は、変更が可能なので保険会社にすぐに連絡しましょう。
年齢条件は現在、以下の4つの条件が主流となっています。
- 限定なし
- 21歳以上
- 26歳以上
- 30歳以上
東京海上日動などの一部の保険会社では、さらに細かい年齢条件を指定できるところもあります。
年齢条件によって保険料が大きく違いますので、保険内容を変更していない方は見直しを行いましょう。
子供が免許を取得した直後に親の車を運転するときは保険内容が変わるので、すぐに切替が必要です。
運転免許証の色は?
現在、ほとんどの保険会社が行っている割引がゴールド免許証の方を対象にしている「ゴールド免許割引」です。
調査するまで割引率はそこまで高くないと思っていたのですが、試しにゴールド免許の場合の見積もりを試してみたところ、20000円以上も割引になりました。
免許証の更新時に色がよく変わりますので、保険の更新時の申告には気を付けましょう。
年齢条件とゴールド免許割引には関係があり、条件が上にいくほどゴールド免許の割引率も大きくなることが多いです。
運転者を限定するかどうか?
運転者を家族限定や配偶者限定の条件を付けると、保険料が安くなります。
これまでは配偶者限定にして保険料を節約していた方が、子供が免許を取って車を運転するときに外し忘れるといったこともありますので、環境が変わったときには見直しが必要な項目です。
年齢条件と同じく、限定範囲によっては保険料の割引が大きくなるものなので、可能であれば限定にしておきましょう。
運転者限定割引は、限定する範囲を小さくするほど割引率が高くなります。「本人限定」が最も割引率が高いです。
車の使用目的は?
保険の契約・更新時には必ず車の使用目的を聞かれます。選択できる目的は次の3つです。
- 日常・レジャー
- 通勤・通学
- 業務使用
当たり前ですが、車は使う機会が多いほど事故に遭う確率が上がるので、利用する日数によって判断します。
業務使用:定期的・継続的に仕事に利用する場合に選択します。週5日以上または月15日以上が目安です。
通勤・通学:業務使用とは違い、通勤・通学に使う場合のみに選択します。週5日以上、月15日以上の通勤・通学が目安です。駅への送迎も含まれます。
日常・レジャー:上の2ついずれにも当てはまらない場合に選択します。
保険料は業務使用>通勤・通学>日常・レジャーの順になるので、日常・レジャーを選択したいところですが、絶対に実際の使用状況と違うものは選択してはいけません。
死亡事故などの大きな事故では、保険会社側が「使用目的が実態と異なっている」という理由で保険金の支払い対象外と主張するケースがあるためです。
契約書の車両に間違いはないか?
世の中にはたくさんの車の種類がありますが、保険に登録するときに契約された車体番号や登録番号が間違っていると、事故の際に保険金を受け取ることができない可能性があります。
代理店型の自動車保険会社と新規契約するのであれば、車検証のコピーを見せなければいけないところもあるので大丈夫ですが、ダイレクト型の場合は申告での契約になりますので、間違えないように注意しましょう。
保険契約期間中に車を買い替えた場合には「車両入替」を行わなければいけませんが、ダイレクト型の保険会社であればインターネットから簡単に車両入替できます。
競技や走行練習には使わないか?
契約している車を使ってレースなどの競技に出る、または練習に使う場合は保険の対象にならないことがあります。
あまり一般の方にあてはまる項目ではありませんが、特殊な使い方で車を使用する場合は一度保険会社に問い合わせましょう。
車に危険物を積んだり、けん引する可能性は?
車に危険物を載せて走るというのは一般的な使い方から外れます。
こういった用途で車を使用中に事故が起こってしまった場合、保険金が貰えない可能性がありますので、必ず契約前に確認が必要です。
改造車に関しても保険の契約・更新を断られる可能性があります。
一括見積もりサイトなどでは見積もりを行えませんし、車検も通らないので、改造車を使用するのはやめましょう。
保険期間は万全?
車の納車日から保険の有効にしなければいけないのはもちろんですが、保険会社を切り替える際にも保険の有効期間には注意が必要です。保険の期間外に事故を起こすと間違いなく保険金を受け取れません。
自動車保険の満期は満期日の午後4時までとなっており、契約も午後4時からとなっているので、車の買い替えと同時に保険会社を変更する場合は、納車時間も調整してもらうのが手です。
「1日くらいいいか」と甘い気持ちで運転して大事故が起こってしまってからでは遅いので、必ず契約した状態で運転しましょう。
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